閑話 | |
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高2回 山崎 拓 |
光陰矢の如し。本会の創立五周年を皆様と共に衷心よりお慶び申し上げます。
思えば昭和二十五年三月に仙台二高を卒業して三十六年、豊かになった生活に過ぎ 去った昔を振り返り、ともすれば怠惰になりがちな心身に鞭打ち乍ら、健やかな日々 を送ろうと努力している此の頃です。しかし、五十路も半ば、体力の衰えは目に見え て如何ともなし難く、現状を維持するのに汲々として居るといったところです。 この永い年月の間に幾つかの趣味を得、それらを順次消化していく事に生きている 歓びを感ずる年齢になってきたと思います。しかしゴルフだけはどうしようもなく、 始めて十七年、未だに百を切れないで居ります。 彼の帝王ニクラウスによれば、ゴルフはテンポと申します。このテンポを如何なる状 況下でも崩すことなく克己心を持って行えば、基本を識る者ならば決して百を切る事 は困難ではないと人はいいます。しかしこれがなかなか達成できないという事は、ゴ ルフというスポーツはどんなにメンタルなものであるかが思い知らされます。 シングルプレーヤーの友人によれば、体力の維持は、練習場で五十球を四十分かけ て打ち、十分間の休憩時間を入れてもう五十球を限度とし、メンタルの訓練は一球入 魂の事、ときつくいわれておりますが、それがなかなか思うようにまいりません。 明治三十六年五月、わが国では神戸がゴルフ発祥の地といわれこのかた、幾多の名 プレーヤーが出ておりますが、一ラウンド七千米弱を七十二のスコアで回ってイーブ ン。つまり一ホール当たり二パット、他はショットですから、七十二のうち五十四が ショットということになり、その一打は平均百三十米弱となります。勿論ゴルフを数 の平均で論ずる積りは毛頭ありませんが、グロス百が夢という私にとっては、この値 に達することが正に焦眉の事柄である訳です。 現代は新技術の時代といわれます。一説によれば、カーボン、ボロン、ニューセラ ミックやニューメタルなどの新素材のニーズはゴルフ用具にあるとさえいわれます。 又、ショットの練習用電算機プログラムが開発されシステムとして実用に供されて居 るのは皆様良くご承知の事です。 そこで、この次に来るものは何でしょうか。私はそれをボールに求めたいのです。 クラブフェイスがどの様にボールに当たろうとも、飛んでいる間に軌道が修正され、 ショットの時の打力に応じてフェアウェイをキープできる様なボールが開発される事 を。この様な機能をもったシステムが、直径四十六粍のラージボールと四十粍のスモ ールボールにそれぞれ組み込める新技術が開発されないものでしょうか。とに角、私 は早く百を切りたいと思っている此の頃です。 会員諸兄のご教示をお願い申しあげると共に、皆様のご健勝を心からお祈り致しま す。 |
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