「日蘭通商四百周年」を記念して、平成21年11月4日より11日までの8日間、
日本武道代表団の一員として参加の機会をいただきました。
9月中旬までに甲冑や武具を送る事になり、少々戸惑いましたが、日本部道館職員の
皆様の確かな準備作業のおかげで、酒井直師範、高橋健之師範とともに無事、
アムステルダムへ到着できました。
街は水路が多く、低湿地の水を風車で灌漑して宅地を作っていったそうで、地価は高い
そうです。建物は五階前後の高さで、均整の取れた集合住宅群が連なります。
階段が狭いので、大きな荷物は屋根近くに突き出たフックに、滑車を取り付けて出し入れしているようです。
また、街中に自転車道が完備しているようで、大勢の市民が風を切って走っていました。
環境にも、健康にも好ましい風景に見えました。
低床路面電車も快適でした。
さて、5日はアムステルフェーン市役所でウエルカムパーティの始めに、三組の演武がありました。
私たちも甲冑を着用して演武を披露しました。
翌6日は、夕方から「コングレスホール」で、武道セミナーが開かれました。
舞台が少々狭かったので、陣笠術などの小さくまとめ易い演武を入れました。
なお演武会に先立って、柔道の田村先生から、加納治五郎先生がどのような講道館柔道を作ったか、
という講演が有り、その内容は、時代が大きく変わったときに「各流柔術を再編整理」したばかりでなく、
「人の行うべき道を示した」という話でした。
翌7日は、現地支部との交流稽古会の無い私たちは、事務局の境野氏らと共に難病の子供たちのための
専門病院を訪問しました。
院内にはあいにく、新型インフルエンザの影響で、滞在している子どもが少なかったのですが、院内の
整った環境設備やスタッフを見ただけでも良かったし、子どもたちや親御さんから、甲冑についての
質問を受けたりして、もっと甲冑の勉強をしなくては、と感じました。
翌8日は、いよいよ本命の演武会。
スポーツホール・ザウドで午前中リハーサル。
午後、観客が増えてくる中で始まりました。
現代武道、他流派のダイナミックな、あるいは端正な演武が展開されていき、いよいよ私達の番に。
大ホールの中で始めの礼法を行い、後は馬の花捻り棒、槍、鎧通し、陣太刀と演武を行いました。
演武会の後で、大勢の観客の皆さんに囲まれて、交流ができ、触れ合えた事は、大変嬉しく思いました。
最後に、今回の派遣団でお世話になった皆様に、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
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