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東京海洋大学夏合宿に参加して
(長南賢司著)
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 大学の柔道部夏合宿が8月19日から千葉県館山で行われると連絡を受け、是非参加して二高柔道部の後輩に一つでも多くのことを伝えてやろうと思っていました。

 大学の柔道部夏合宿を館山で行われるのは、大学の宿泊施設があることです。また、もう一つの大きな理由は、上木師範が合宿期間中指導して下さることです。上木師範(東京教育大学出身)は、で千葉県立安房高を何度も全国優勝させた優秀な指導者で、近年は、世界マスターズ大会で何度も優勝を飾っています。指導して下さる師範は、もう一人いて、講道館で小学生を指導している向井師範(筑波大学出身)が館山まで出向いて指導して下さいます。

 さて、小生の合宿参加の旅は、8月19日(金)勤務終了から始まりました。帰宅後直ぐに、1800官舎のある仙台を出発ました。東北縦貫自動車道路を南下し、3時間走り続けて2100上河内SA(宇都宮の手前)で夕食、そのまま仮眠、翌20日(土)0300起床(普段より少し早い時間です。)、都心を抜け、アクアラインを経て0600君津で朝食、また仮眠、0800少し遅れて起床、0855安房高柔道場に到着、いよいよ合宿参加です。

 安房高柔道場では、上木師範が道場の壁に所狭しと掲げられている全国大会優勝、準優勝の賞状とメンバーの写真について熱弁を振っておられました。

 20日(土)午前は、寝技の基本的な練習でした。仰向けで下になり、中腰で立って懐に入ろうとする相手に対して左右に動いて正対し、懐に入れないようにする運動。仰向けで下になって足首を直角に返し、足の甲を中腰で立っている相手の両膝の裏側に引っ付け、足を小刻みに広げる運動。更に、その状態から、相手が前のめりで両手を両脇近くの畳に付けて足を大きく前後に動かし、足の甲を相手の両膝の裏側に引っ付けたまま、足を前後に動かす運動。仰向けの状態で片手は腕を抱え込み、もう片方で帯を掴み、両足は折り曲げて足の甲を中腰で覆い被さった相手の太ももに当て大きく上に持ち上げ、落ちた瞬間、腰を相手の腹下へ潜り込ませる運動(次に持ち上げる時は簡単に持ち上がる。)。更に、片手を相手の逆の奥襟に持ち替えて引き付け、片手は帯を持ったまま持ち上げ、返して上下逆になり、そのまま袖口絞めに入る練習。(この際、自分の袖口に手を入れるのは反則にはならない。)最後は、地獄絞め、四つん這いになった相手の右側から右手で相手のあごの下を通して左襟を取り、左足を相手の背中を跨いで左脇腹の下に素早く入れて回転し、回転後、左手は相手の左足のズボンを掴み、相手を逆エビに反らせる練習等でしたが、受けをするだけで十分でした。その後、寝技の乱取りを10本ほど行って、午前中の稽古は終了しました。「押さえる時は、面で押さえ、逃げる時は、点で(丸くなって)逃げよ。」

 20日(土)午後は、立ち技の基本的な練習でした。足払い、小内刈り、大内刈り、小外刈り、大外刈りの一人移動打ち込みは、足首を180°に伸ばし、膝を伸ばしたまま素早く刈る運動。内股の一人打ち込みは、壁に手を付き、跳ね上げた足が最初の頭の位置に上がるまでの練習。背負い投げの一人打ち込みは、技を掛けた後に前方に回転する練習。(これは、2年生の柴田君に教えなければ。)更に、二人組の移動打ち込みは、前後移動のほか横移動して正面に入る練習でした。その後、立ち技の乱取りを10本ほど行って午後の稽古は終了しました。「足技は、ろうそくの火を刈った足の動きで消す早さ。」

 21日(日)朝0630起床(小生は0400ごろ起床。)、体操の後、学生と一緒に富浦海岸の散歩をしたが、途中雨のため富浦合宿所に引き返しました。

 21日(日)午前は、向井師範の指導による寝技の練習でした。前日の練習の深度化でした。仰向けになって相手に抑え込まれないようにするには、膝を持たれたら足を回して切り(足回しの運動の実践)、両足の裏を相手の太ももの付け根に付けて相手の動きに合わせて正対するように移動し、両足が外されたら腰を捻って(足挟みの運動の実践)相手と正対し、距離を保つ練習。うつ伏せの相手を前横に返す場合、片手で帯を逆手で持ち(順手で持つより効果はあり。)、他方の手で相手の肘の道着を掴んで返す。上着の裾を使って相手の腕を殺す場合は、裾端を親指側にして小指を絞ると抜けにくくなる。低い姿勢で寝技をする基礎運動にはワニ(低い姿勢で膝と肘を付けて這い進む。)の練習等、寝技のテクニックを指導して頂き、その後、寝技の乱取りを10本ほど行って午前の稽古は終了しました。

 21日(日)午後は、立ち技の練習でした。昨日の練習の深度化でした。崩しの練習は、踏み込んだ足と反対方向に崩す。右足を踏み込めば、右手で相手を左前に引き下ろし左側に移動させる。更に、両手で崩す場合は、ハンドルを回す要領で相手を崩す。大外刈りの崩し、左手は左外、右手は上、相手の頬が自分の頬に近づくように崩す。(これは、2年生の松元君に教えなければ。)小内刈り、大内刈り、小外刈り、大外刈りの移動打ち込みは、相手の足を刈った状態で片足跳びをしながら追い込み、最後は押し倒す(山下選手の得意技でした。)等、立ち技のテクニックを指導して頂き、立ち技の乱取りを7本ほど行って午前の稽古は終了しました。

 練習終了後、1800館山発アクアラインの渋滞を避け、京葉道路を経て東北縦貫自動車道路へ、2100佐野SAで夕食、19日の上河内で食べたチャーシューメンがどうにも不味かったので佐野ラーメンで口直し、これで思い残すことなく帰宅できると思ったら眠くなり、2130黒磯PAで仮眠、22日(月)0400起床、一路仙台に向け北上し、0600官舎に到着、アッと言う間の3泊2日の合宿旅行でした。

 22日(火)合宿で覚えてきた技を忘れないうちに現役にと思っていたところ、同期の今野君から連絡があり、高23回大平先輩から柔道の技のビデオを現役に託されたというので、早速ビデオを受け取り、道場へ。あれも教えたい、これも教えたいと気ばかり焦って何を教えてきたのか。ひとつでも覚えて貰えれば、今回の合宿参加も無駄ではなかったのかなと思うところです。現役がいるから、この年で大学の合宿に参加することができました。感謝です。「一流選手の技を見て、技を盗む。」

 23日(水)から2011年世界柔道選手権大会がパリで開催されました。上木師範は、23日から観戦に行かれると言っていました。また、向井師範が指導している三井住友海上の中村美里選手(52s級)は、崩しを上手に使って切れ味のよい足技で勝ち進み、優勝の栄冠を手にしました。大会では、上木・向井両師範が指導されていた柔道のテクニックを随所に見ることができ、楽しく試合観戦をすることができました。


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