< 春 >
1.繚乱の花香ばしく 光あかるき北陵に 夢遙かなる一千の若人われら集い来て 陽炎燃ゆる若草に 暫しの時を憩いつつ 過ぎゆく春を惜しみては 羽ばたく明日の日を想う |
< 夏 >
2.薫る若葉に風清く 流れすがしき広瀬川 我今友と連れ立ちて 山ほととぎすこだまする 古城の跡をさまよえば 昔の光今はなく 残る記念(かたみ)の石碑(いしぶみ)に 古き姿を思うかな |
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< 秋 >
3.白雲遠く流れゆき さ青に光る空の色 見よ学び舎の片そばに 俳聖かつて吟じたる その名も著き宮城野の 萩はこぼれて秋深く ゆらぐ薄の穂先にも 赤き蜻蛉(あきつ)の群れ飛ぶを |
< 冬 >
4.杜の都に風荒れて はや山脈(やまなみ)は雪白し 草枯れ水は浅けれど 青葉の山の峰の松 常盤の色にいや冴えて 冬来たりなばやがてまた 待たるる春は来るものと 吹く木枯にうたうなり |