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(2000.3/5作成)
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片付けないで済んだ話
高3回 箱守京次郎
桜の木に天狗巣病というのがある。
梢近く、異常に枝が密集して天狗の巣とみえる奴である。
ここには花芽はつかず著しく花容を損なう。
私には何か宿木にでもとりつかれた様に思えて可哀相でならなかった。
生物の金子先生から、これは切りとって焼いてしまうのが良いと伺った。
早速何人か相図り、春先の休日を返上して校庭の天狗巣狩りを計画した。
竹竿に縛り付けた鋸を片手に終日木登り、時折手を休めて樹上から野球部の練習を見物。
夕方、漸く切り方終了。
小使室のお茶に呼ばれて一休み。
さて、切った巣枝を片付けようと、薄暮迫る校庭に出てみてアレレ、人気が無くなった
校庭には、枝の山が無い。
綺麗に何処かに消え失せている。
隣人の名誉のために案ずるに、オズの魔法使いの弟子が川内にもいて、少年達に無言の
協力をして呉れたという、燃料事情の悪かったあの頃の話です。
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