河合雲濤先生の思い出 | |
---|---|
中34回 藤原 佐一郎 |
仙台二中中興の祖とも言うべき河合先生は、肝の座った規模の大きな校長先生だった。
元来化学の先生であり乍ら、若いとき中国の雲南省で教鞭をとられた経歴からか 漢詩に通じ、「天仄の研究」という大著がある。 よく先生から草書の掛軸を読んでみよといわれたのには閉口した。 先生は教育に対し信念をもっておられ、夜間外出と喫茶店への出入は禁止された。 或時、中央の高級官吏が宮城県に赴任され、その息子さんが二中に転入になったところ 二中では夜間外出禁止ときき、夜使にもやれぬといって校長宛苦情をいったところ、 私の教育方針に賛成されないなら、どうか他の学校に転校していただきたいと言った とのこと。私の父から聞いた話である。 |
---|