二十世紀の最後の2000年という極めて意義深い年に、本校は創立百周年を
迎えることができました。誠に慶賀に耐えないことであり、これも偏に同窓会
並びにPTAなど関係各位のご支援ご協力の賜と心から厚く御礼申し上げます。
この激動の一世紀にわたる歳月の間には日本の姿も、教育のあり様も誠に
大きな変化を示してまいりました。そして、顧みますれば、本校もまたその中に
あって幾多の変遷を経てまいったのであります。本校は明治三十三年に本県のみ
ならず、世界のリーダーたるべき人材の育成を目指して宮城県仙台第二中学校
として創設されたのでありましたが、昭和三年にこの川内の地に移転し、
太平洋戦争の時代とその後の復興の時代を経、校舎の改築等もあって今日の充実
を見るに至ったのであります。そしてその間幾多の俊秀を世に送り出し続け、
東北日本をはじめ広く世に知られるようになってまりました。
豊かな自然と文化環境に恵まれたこの仙台二高の学舎において青春の日々を
送られた多くの方々は、その時代、その時節の流れのなかで多種多様な経験を
なされ、それぞれにかけがいのないドラマを担われたものと窺われますが、
それは本校教育が一貫してまいりました「正義・自由・剛健・質実・平和・
友愛・共同・自治」の八徳と文武一道の北陵精神の体現であったことに違い
ありません。
この記念すべき日に、今後とも「八光鋒」の示すこの八徳と「至誠業に励み、
雄大剛健の気風を養い、ともに敬愛切磋を怠らず」の教育目標をより高く掲げ、
二十一世紀を担うにふさわしい、心豊かで、幅広い知識と、柔らかな発想力と
逞しい実践力を有する多くの人材を育成し、二十一世紀へ向けて、新しい北陵
の風を興し、新世紀への「かけ橋」としたいものと考えます。
最後に、仙台二高をこよなく愛し、心を寄せていただいております皆様方に
改めて感謝の意を表し挨拶と致します。
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