電気・電子工学分野で世界最大規模の米国電気電子学会(IEEE)が、
ミスター半導体の異名を持つ西澤潤一・岩手県立大学長(77)の業績をたたえ、
「ニシザワメダル」を創設した。
十四個あるメダルの中で、欧米人以外の名前を冠したのは初めて。
「エジソンメダル」「グラハム・ベルメダル」と同格の権威を持ち、毎年、
優れた研究者に贈られる。
創設理由としては、光ファイバー通信、静電誘導トランジスタの開発など
光通信の基本的な三要素の発明者であることを挙げている。
日本の電気事業連合会などもスポンサーになるなど協力した。
六月十九日にカンザスシティーで行われた第一回授賞式には西澤氏も出席し、
ICメモリーを研究している日立グローバルストレージテクノロジーズ社の
フレデリック・ディル氏(米国)にメダルが贈られた。
メダルは横顔をデザイン、英語で「NISIZAWA」などと彫り込まれている。
文化勲章や「エジソンメダル」など数多くの賞を受けた同氏も感無量の様子。
「エジソン、ベルと並べられるのは座りが悪い」と苦笑しつつも、
「日本から一つ加わったのは大変名誉なこと。光通信の発明者と権威付けられた
のも喜ばしい」と語った。
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